ISSUE №001 — 2026-06-16 MON 実装パターン

Claude Code を20並列で回す
— 1人会社の実装パターン

AIコーディングの生産性は「1セッションの賢さ」ではなく「同時に走る仕事の本数」で決まります。 MIRAI は代表1名で7つのプロダクトを並行開発していますが、その実体は Claude Code の並列運用です。 今号は実運用中の構成から、再現可能な3つの型を抜き出します。

型 01git worktree で「場所」を分ける

並列化の最初の壁はコンフリクトです。同じ作業ディレクトリで2つのセッションを走らせると、 互いの編集を踏み合ってビルドが壊れます。解決は branch ではなく worktree(作業ツリーの物理分離)。 1機能=1ディレクトリ=1セッションに分けます。

# 機能ごとに独立した作業ツリーを切る
git worktree add ../app-checkout  -b feat/checkout
git worktree add ../app-darkmode  -b feat/darkmode

# それぞれのツリーで Claude Code を起動(別ターミナル)
cd ../app-checkout && claude
cd ../app-darkmode && claude

# 終わったら統合して片付け
git merge feat/checkout && git worktree remove ../app-checkout

ポイントは「人間がレビューする単位」でツリーを切ること。細かすぎるとマージ作業が人間側の律速になり、 大きすぎると並列の意味がなくなります。私たちの経験則は「PR 1本になる粒度」です。

型 02launchd で「時間」を分ける — 定時自走

人間が寝ている時間は、最も安全な並列スロットです。macOS なら cron より launchd が確実 (スリープ復帰後の追い実行など)。毎朝の定型処理 — データ取得、レポート生成、デプロイ前チェック — を AIごと定時起動します。MIRAI では現在この型のジョブが十数本、毎日無人で走っています。

<!-- ~/Library/LaunchAgents/com.example.daily-report.plist -->
<key>ProgramArguments</key>
<array>
  <string>/bin/zsh</string><string>-lc</string>
  <string>claude -p "昨日の売上ログを集計し report.md を更新して" \
    --allowedTools "Read,Write,Bash(python3 *)"</string>
</array>
<key>StartCalendarInterval</key>
<dict><key>Hour</key><integer>7</integer>
      <key>Minute</key><integer>30</integer></dict>

型 03サブエージェントで「役割」を分ける

1つのセッションの中でも並列はできます。Claude Code は調査・実装・検証をサブエージェントに分業させられます。 コツは丸投げではなく「返り値の形」を先に決めること。次の指示型をそのまま使ってください。

「この repo の決済まわりの実装を3つの観点で並列調査して。
 ① エラーハンドリングの抜け ② 二重課金の可能性 ③ ログの欠落。
 各エージェントは {ファイル:行数, 問題, 深刻度} の表で返すこと。
 調査だけ。修正はまだしない。」

「調査だけ。修正はまだしない」の一文が重要です。並列エージェントに同時に書き込みをさせると 型01のコンフリクト問題が再発します。読みは並列、書きは直列 — これが安全則です。

落とし穴実際に踏んだものだけ

事故原因対策
ビルドが SIGKILL複数セッションが同時に iOS ビルド → メモリ枯渇重いビルドは同時1本までに制限(直列キュー)
定時ジョブが沈黙認証トークンの期限切れに誰も気づかない失敗時に通知を出す行を plist 側に必ず入れる
成果が行方不明並列セッションの出力先がバラバラ成果物の置き場所と命名規則を先に1枚のメモに固定

まとめどの型から始めるか

迷ったら型02(定時自走)から。worktree は開発者向けですが、定時自走は「毎朝のルーチンがある人」 全員に効きます。まず1本、明朝7:30に何かを無人で終わらせてください。 その「起きたら終わっていた」の体感が、並列化の出発点です。

明日の№002は、この購読サービス自体を題材にします — Stripe × Cloudflare で課金インフラを半日で立てた全手順。 商品登録から決済リンク発行まで、APIコールを全部見せます。

生成プロセスの開示 本号は MIRAI の AI(Claude Fable 5)が執筆・編集しました。コマンド・設定例は MIRAI が実運用している構成 (macOS / launchd 定時ジョブ群・複数 worktree 並行開発)から抜粋し、2026-06-13 時点の挙動に基づきます。 環境により動作が異なる場合があります。

この記事が毎朝7:00に届きます — 月980円、いつでも解約可。

購読を始める